ピンチをチャンスに。

緊急事態宣言が解除され、経済活動が回復しつつある一方で、残念なことに新型コロナは第2波と言わんばかりの猛威をふるい始めている今日この頃です。

こうした状況の中、緊急事態宣言中から取り沙汰されていたのが「コロナ移住」です。

「緊急事態宣言」および「新しい生活様式」の下でテレワークの環境が整い始め、可能な業種では都心のオフィスに通勤する回数を減らしたり、オフィスを郊外に移転する企業が出始めたりしています。

地の利をもっともっと活かせ。

移住先といえば、2019年の人気移住地ランキングhttps://www.furusatokaiki.net/wp/wp-content/uploads/2020/02/furusato_ranking2019.pdf
にも見られるように、主に首都圏の外側へというイメージがあります。

しかし、今の仕事を続けられる範囲での移住となると、電車・新幹線または車で通える範囲内になります。
だから、今こそ、大雄山線で小田原に出れば新幹線に、また大井松田インターに出れば東名高速に乗ることができる、ここ南足柄市に積極的に移住者を呼び込むチャンスなのです。

今年4月に策定された、まちづくりの4年間の計画である「第五次総合計画後期基本計画」では、人口減少は避けられないという立場に立った上で、現状維持には努めようとしています。
しかし、その目標を達成するためには、市内在住者が定住し続けること(できればそこで新しい命を授かること)、または本市への移住者を増やすことしかありません。

行政側としては、そのための総合計画であり、そこに掲げている施策が実行されれば実現できるという見解です。しかし、その程度で人口増が叶うのならば「第五次総合計画前期基本計画」を含むそれ以前のすべての計画が失敗作であったということを証明してしまうことになりませんか。

自力本願で認知度アップを図れ。

6月に行われた第2回定例会での私の一般質問「ウィズコロナ・アフターコロナ時代に向けた移住政策について」は、コロナ禍という逆境を利用して、移住促進の風に乗っていくことを意図したものです。

先述した通り、今回の緊急事態宣言の発出によって「コロナ移住」が話題になり、いち早く都会暮らしをやめて田舎または「トカイナカ」(都会と田舎の中間)暮らしを始めた人をクローズアップする記事が増えています。
そして、その動向をしっかりキャッチし、臨機応変に動いた自治体は、移住者を呼び込むためのPRを即座に開始しているのです。

一方で、南足柄市は未だのらりくらりとやっています。
のんびりとした性質が本市の良いところでもあり、悪いところでもあるのですが、市政の積極的改革においては間違いなく短所となってしまいます。

移住先の選択肢にあげてもらうためには、まず南足柄市を多くの人に認知してもらうことが必要です。
居住地を説明するために、「小田原の北です」とか「箱根の近くです」という決まり文句を添えなければならないというのが、悲しいかな、南足柄市あるあるとなっています。

コロナの影響でオープンが延期されていた道の駅「足柄・金太郎のふるさと」が各メディアで紹介されたことで、奇しくも認知度がほんの少し上がったところです。
しかしながら、それも他力本願。もっと自力で売込まなければなりません。

そこで私が提案したのが(一般質問の中では、答弁が思ったものと違ったので、十分に言及できませんでしたが)、現在好調の「ふるさと寄付」に乗じてPRすることです。

市町村にだって、マーケティングの視点を。

ちなみに「ふるさと寄付」といえば、「ふるさとに貢献したい」「自治体を応援したい」とする人の善行のように謳われていますが、みなさんもご理解の通り、寄付先の決め手になっているのは言わずもがな「返礼品」です。(参考→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000761.000007815.html
つまり、「南足柄市なんてどこか知らないけれど、この返礼品が欲しいから、ここに寄付をしよう」という人々がほとんどなのです。

私が議会で一般質問した6月17日時点で、南足柄市への昨年(令和元年)度のふるさと寄付の件数は約10万7600件とのことでした。
つまり、10万7600人中のほとんどを占める「南足柄市なんて知らない」人に本市を知ってもらうチャンスなのです。

これは議場外でのやり取りですが、
「寄付金受領証明書」(ふるさと寄付を納めてくれた方には、どこの自治体からも必ず郵送されます)に南足柄市を紹介をする簡単なリーフレットを入れられないか?
と聞いてみたところ、
郵送料が高くなってしまうので、難しいんです。今封筒に、市のサイトにアクセスできるQRコードを載せるように調整しているところです。
との回答をいただきました。

……QRコード、どれだけアクセスがあるでしょうか。
返礼品が目当てですから、わざわざスマホでQRコードを読み取って自主的に検索などしません。
それならば、受け身で手に取れるリーフレットの方がよっぽど効果的だと思うのですが、その感覚はなかなか理解してもらえないようです。

人口減少は国内全体の課題であり、全体の「パイ」を増せないのであれば、各市町村が「パイの奪い合い」をするしか方法はありません。
私も経営学にはまったく携わってこなかった身分ではありますが、マーケティングで言うところのお客様理解といった視点を鍛えて、顧客すなわち「パイ」を奪う手法を身につけてもらいたいと思います。

教育や福祉の充実など実現したいことは山ほどありますが、財源や人材の見通しを立てず理想論ばかり主張していても前に進みません。
私も、感覚や情動だけに頼らず、社会全体を俯瞰しつつ、逆境を乗り越えられるまちづくりを、市民全体の目に代わってチェックしていきます。