議会が「茶番」になるしくみ

6月29日、令和2年第2回定例会が終わりました。

今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般質問を控えたり、会派でまとめたり、質問が被らないように調整したり、時間を短くしたり……と議員それぞれで対応しました。
ちなみに、私の(不完全燃焼に終わった)質問内容については、またおいおい解説(=言い訳)します。
(と言いながら、なかなか書かないので、手っ取り早く動画を見てくださる方が早いかもしれません。→→→http://www.minamiashigara-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1392

さて、今回は議会が「茶番」になる理由として挙げられる、一般質問および代表質問の「通告」「聞き取り」という制度について解体していきます。

※なお、一般質問と代表質問の違いは「岸本あつこ市議会レポート創刊号」の「用語解説」をご覧ください。http://kishimoto-atsuko.net/wp-content/uploads/2020/02/市議会レポート創刊号.pptx.pdf

質問は「通告制」で順序が決まっている

南足柄市議会の本会議において、質問を始める前の議長のセリフに、「一般(代表)質問は通告制で、順序が決まっています」とあります。

「通告制」というのは、質問の内容をあらかじめ市長部局に伝えておく制度のことです。

自治体によって異なりますが、南足柄市では一般(代表)質問が行われる本会議の2週間前が通告の締め切りです。
本会議での登壇の順番は、一般質問では通告の早い者順で、代表質問ではくじ引きで決まります。

「聞き取り」は市長部局の答弁作成のための擦り合わせ

通告書を提出すると、市長部局からの「聞き取り」が行われます。
質問内容の業務について所管する担当課の職員がやってきて、質問の意図や詳細について聞かれるのです。

本会議で質問者が壇上(議長席の前)での質問を終えると、それに対して市長あるいは教育長が答弁をします。
1回目の答弁を受けて、質問議員は再質問、再々質問することになるのですが、それらすべての質問に対する答弁を作成するために、所管課は質問の内容を知っておく必要があるのです。

自治体によっては、再質問、再々質問の内容まで伝えなければならなかったり、質問に対する答弁を事前に知らせてもらえたりするところもあるそうです。
すると、長い場合は壇上での質問→市長・教育長の答弁→再質問→再質問に対する答弁→……と作った原稿をただ読むだけ=「茶番」になってしまうのです。

ちなみに南足柄市では、市長の答弁をあらかじめ知ることはできません。また、再質問、再々質問の手の内をどこまで明かすかは各議員に委ねられています。

質問議員は所管課への事前の問い合わせや、聞き取りにおけるやりとりで下調べをしているので、「こんな答弁が返ってくるだろう」とあらかじめ予測をしたうえで再質問、さらに再々質問を用意しておきます。
そのため、市長の答弁で自分の想定していなかったものが返ってきた場合は、その場で臨機応変に再質問を構成し直し、対応しなければならないのです。

だから、南足柄市議会は1回目の質問と答弁ではなく、再質問とその答弁から先の部分で、質問者と答弁者の実力が露呈されてしまうのです。(墓穴を掘ること覚悟で暴露しています。)

「通告」や「聞き取り」は悪なのか?

では、議会の「茶番化」の理由であろう「通告」と「聞き取り」は、果たして不要なのでしょうか?

結論から先に言うと、ある程度は必要だと考えます。
一番の理由は、議会を効率的・生産的なものにするためです。

まず、市長は行政の長ではありますか、細かい数字まで全て暗記しているわけではありません。
1つひとつの質問に対して、「調べるからちょっと待ってて!」と議会をその都度ストップしているようでは時間の無駄です。

また、質問に対する所管課が明らかならば問題ないのですが、不明瞭または多部署にわたる場合、答弁の擦り付け――「これはうちの所管ではありません、〇〇部でしょ」「いやいや、××部が答弁してくださいよ」というやりとりになったり、誰も手を上げずにシーーーンと沈黙が続いてしまったりすることが起こり得ます。これも明らかに時間の無駄です。

議員は議会を効率的・生産的なものにするために、「通告」と「聞き取り」という手順を踏まえつつ、質問の内容を精査するべきなのです。
そして、市長・教育長および市長部局の答弁に対し、臨機応変かつ論理的に再質問を繰り広げ、市民の声を行政に届ける仕事をしていかなければなりません。